不思議1 なぜ路線は蛇行しているのか

新京成の七不思議

 

いよいよ2025年4月に京成電鉄に吸収されます。吸収される前に新京成電鉄の七不思議をみていきたいと思います。
なんでくねくね路線なの。新京成電鉄は松戸駅〜京成津田沼駅の26.5kmの直流電化路線1435mmの路線で京成グループの会社です。1947年に新津田沼駅〜薬園台駅を開業。路線の路盤は戦時中にあった鉄道連隊の訓練路線(松戸線)を払い下げたものです。この鉄道連隊は海外の戦地での鉄道敷設はもちろん国内の鉄道なども敷設しました(東武野田線もこの連隊が敷設)。戦後、この路線の払い下げの話がでました。この訓練線は結構、くねくね蛇行しておりましたが都心近郊にあることで西武鉄道と京成電鉄が着目しておりました。

 

西武がなんで出てくるかはよくわかりませんが、西武鉄道の一部も鉄道連隊が敷設したからみもあったのでしょうか。ピストル堤氏は抜け目ありませんね。京成電鉄の方が地元ということもあるのと鉄道連隊の旧軍人の引き抜き人材が連合国の占領軍(GHQ)とのパイプが太かったのもあり、結局京成がこの演習線をゲットしました。GHQはこの路線の開業にあたり軍事線をまた復活させて軍事化することを恐れ敷設に難色をしめしましたがパイプを通して説得に成功したようです。ただ、まだ当時は野原だったこの辺りの土地に鉄道を敷くのはリスクがあるということで京成は別会社として子会社「新京成電鉄」を発足させます。1947年に先述した新津田沼駅〜薬園台駅を開業します。鉄道連隊の演習線なのであらゆる環境を想定して敷設したのでくねくねしているのです。

 

津田沼駅〜松戸駅は直線距離にすると16kmですが、これを26.5kmで敷設されているのでいかに曲線が多いかわかります。また敷設した軌間は600mmでした。松戸線(演習線)を流用しているのですが旅客用に転用するため工事は時間がかかりました。この工事の支援を名乗り上げたのが三菱電機でした。今ではブラック企業大賞総なめの三菱電機が支援したことは会社のイメージアップをはかったのでしょうか。この支援もあって1955年に現在の路線として全通します。開業時は演習線の600mmを1067mmに改軌しさらに1372mmに改軌。さらに1435mmに改軌します。あとで述べます。


不思議2 3回改軌のなぞ

不思議2.
なんで3回も改軌したのか。新京成電鉄は目まぐるしく施設を変更する鉄道会社です。この改軌もそうですが、あとで述べる駅も3回移転しております。まずこの演習線の松戸線は軌間が600mmでした

 

三岐鉄道北勢線や四日市あすなろう鉄道の762mmより狭いのです。600mmのゲージでは通勤路線として使えません。まず国鉄と同じ1067mmに改軌しました。免許取得の際の地方鉄道法で1067mmしか認められていなかったのが理由でした。新京成としては親会社の京成の1372mmに合わせたかったようです。

 

仕方なく1067mmで敷設しておりました。しかし法が緩和されて1953年に親会社京成と同じ1372mmに改軌して新津田沼に位置する京成第二工場の引き込み線の一部を利用してようやく京成津田沼駅へ延伸をはかります。これもあとで述べます。ようやく開業から8年、1955年に松戸駅まで単線で全通します。実はこのとき、今と同様、京成千葉線と直通運転を開始いたしましたが、わずか数か月で中止されました。さらに京成が都営浅草線と乗入れることから標準軌1435mmに改軌する準備にあたり、新京成の路線は改軌演習を兼ねて標準軌へ改軌されました。実に3回目の改軌となりました。